エピソード集✨③訳アリ物件

電話で査定依頼のお問い合わせがありました。

女性のお客様ですごく申し訳なさそうなような細々とした声で、売却の相談を受けました。

内容を聞くと、年齢的にも不動産を手放したいという思いと、以前住んでおられた賃借人のかたがこの物件で焼身自殺をされ、どうしていいかわからないとのことでした。いろいろ不動産業者にも相談されていたようですが、なかなかまともに相手にされなくそのような物件は売れないとか、値段が付けられないなど言われていて困っておられました。

私は家をみせていただき、売主様が遠方ながらその物件に何度も通い綺麗に掃除をされておられる様子も見受けました。売主様はこの家は築年数も経っており訳アリ物件ということもありますが、大切にされていると感じたので私もなんとかご縁が見つかればとの思いから売却のお手伝いをさせていただくこととなりました。

もちろん相場では売れない事情などを話し、ご理解もいただき、私は売却活動を進めておりましたが、問い合わせは多いがなかなか内覧までのお話には至りませんでした。

売主様にも問い合わせの状況などを週ごとに報告し、状況を伝えており2か月ほどが経ち売主様から『なかなか難しいとは思いますがどうぞよろしくお願いします』とのお言葉もいただいておりました。

紹介活動を続けている中、お値段を少々引いてもらえるなら購入したいというお客様と出会い、売主様と決めた金額ではありませんでしたが、売主様もご縁があるならと言っていただき、ご契約に至りました。

時間はかかりましたが、購入していただけるお客様が見つかり、売主様からは『管理するのも一苦労だったので、体と心の荷が下りました。有難う』と感謝のお言葉をいただきました。​